引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
07☆仲間崩壊の危機!?
―――――
――
結局あの後あかねちゃんに強引に、さっき私が言おうとしていた志望校の悩みまで言わされてしまった。
するとあかねちゃんはうらやましそうに
「選択肢が多いってのはいーコトだよね〜。私なんてあのまま雅樹と付き合ってても、学力が違いすぎるし、別の高校選んでただろーから」
…なんて、答えにならない返答をしていた。
それだけ、あかねちゃんに余裕がないってことなんだと思う。
それが分かっていたから、私も特にあかねちゃんに突っ込まなかったけど。
それから、受験生の夏休みは勉強に追われている間にどんどん過ぎて行き──
8月下旬。
私達は夏休みの宿題と塾の課題を片付けるために、拓の家でいつもみたいに勉強会をしていた。
「あ〜、マジで助かった。部活全然引退できなかったから、宿題進んでなかったんだよな〜」
「でも瀬川すごいじゃん!全国大会出て、準決勝まで残ったんでしょ?」
「あそこまで行ったら目指すは全国最速だったんだけどなぁ、やっぱ上には上がいたな。でも何だかんだ言って楽しんだけど」
「はははっ。さすが瀬川だね〜。あんな大会でも友達作ってそう」
あゆが拓の全国大会出場の時の写真を見ながら笑っていると、急にあーさんが私の服の裾を引っ張ってきた。