引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
とにかくあかねちゃんに分かってもらおうと思って説得しようと思ったら、いきなり拓があかねちゃんに怒鳴ってきた。
あかねちゃんは一瞬ビクッと肩を震わせて、また泣きそうな顔になった。
「お前何で友達の言うコト信じられないんだよ?柚が細井以外に言ってないなら、そーに決まってるだろ」
「何で瀬川がそんなに柚かばうわけ?ホントは最初から知ってたんじゃないの?」
「はぁ?だから言ったろ?俺も部活のヤツに聞いて知ったんだって。それに俺は柚の彼氏なんだから柚をかばうし、最大限柚を信じるに決まってるだろ」
「そんなセリフが一番怪しいんだって!やっぱり柚が…」
「違うよ、あかねちゃん!私ホントに今初めてウワサになってるの知って…」
「…もーいーよ。誰の言うコトも信じられない。私、帰るから」
「え?ちょっと待ってよ、あかねちゃん!!」
せっかく拓がフォローしてくれたのに…
あかねちゃんは逆にそれが信じられなくなってしまって、みんなの引き留めを無視して拓の部屋から出て行ってしまった。
…どうして?
私、本当にななっぺ以外には誰にもあかねちゃんのこと言ってないのに。
拓にすら…。
「瀬川が柚のことかばおうとしたのが逆にヤバかったんじゃない…?」
「え?俺のせいかよ?元はと言えば馬場が柚と細井のコト信じてないからだろ?」
「でも、今の…完全に柚の事疑ってたよね…?」
ななっぺがそう言うと、みんな押し黙ってしまった。
まさか…、こんなことになっちゃうなんて。
でも私自身が一番意味が分からないままショック状態なんだけど。