引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
02☆イツワリの笑顔
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あれから1週間が経った。
実力テストとかで行事的には忙しかったものの、特に友達関係では変化があるわけでもなく…
私はクラスの女子の中では孤立した状態が続いていた。
もちろん休み時間には時々拓と話したりもするけど、拓だって倉本くんや他の男子の友達もいるし…。
拓は持ち前の誰とでも話せる性格で、3年から初めて同じクラスになった人達とも友達の輪を広げているみたいだった。
相変わらず授業では平気で先生達に突っかかってるし…
まだ3年になって少ししか経ってないのに、すでにクラスのムードメーカーになりつつある拓を、私は斜め後ろの席からうらやましく思っていた。
「みなさん御存じだとは思いますが、もーすぐ修学旅行がありまーす!」
そんなある日の昼下がりのHR。
「おっしゃーっ!この時を俺はずっと待ってたぜ!」
「ちょっと瀬川、興奮しすぎ!!」
うちの中学では3年生の4月下旬、関西方面に修学旅行に行くことになっている。
そろそろその時が近付いてきていて、HRで学級委員が修学旅行の話題を口にした途端、拓の歓喜の大声が教室に響いた。