引っ込み思案な恋心。-3rd~final~





あゆが映美佳にどんどん聞いていっちゃうから、私はただ聞くだけになってしまったけど…





映美佳、その人のことを話してる時、少し嬉しそうな顔してる。





そんな映美佳の幸せそうな顔を見てると、ふと私が拓に片想いしていた時のことを思い出した。





確かに…好きな人のことを想っているだけで、すごく楽しい気分になるよね。






「まぁ…、柚のことはそろそろ瀬川にまかせて、私もいい人ゲットしないとね」



「そうだよ。映美佳、いつまで私の親役する気なの?」



「はははっ。映美佳は小学校の時からの感覚が抜けないんでしょー?映美佳も私と同じで恋の気配なんて全然なかったもんね、やっぱこーゆー話は盛り上がるねぇ」



「あゆだって好きな人いたじゃん。1年の時…、生徒会長してた先輩……」



「あああああーーーっ!柚、それは言わないでよ!」



「え?あゆ、好きな人いたことあるの?」



「うわー。まあ…、いたんだけどさ、見事に玉砕して今に至るって感じよ」






あゆ…、私とあかねちゃんとななっぺには好きな人がいたこと話してくれたのに、そんな必死に映美佳に隠そうとしなくてもいいんじゃ…?





でも結局開き直って、あゆは当時好きだった先輩について色々語り始めた。








…ここに来た時はどうなる事かと思ったけど、結局は3人で恋バナで盛り上がって、太陽が真っ赤になるまで喫茶店にいた後、解散した。






映美佳の小さな恋が、上手く行くといいな。





そして…、あゆにも早くいい人が見つかるといいな。






まだまだ解決されてない問題はたくさんある。





だけど…みんな少しでも前に進んでほしい。







友達の恋を密かに応援しながら、私の夏休みは静かに終わっていった。













――
―――――

< 176 / 281 >

この作品をシェア

pagetop