引っ込み思案な恋心。-3rd~final~





「実は私もさっきチラッとウワサ耳にしちゃって…。ホントだったらかなり衝撃的じゃない?…てかホントのコトなんだっけ?」



「うん…。逆にここまで正確にウワサが流れてるってことにびっくりしちゃったよ」



「普通尾びれ付いて大げさになっていくもんね。…私の経験上だけど」






あーさんの場合には、あることないことウワサで流されてたみたいだから…





それなら放っておけばなんとかなるかもしれないけど、あかねちゃんの場合にはそうは思えない。








チラリと教室の後ろの方で拓と話していた倉本くんの様子をうかがってみた。





…やっぱりいつも通りだ。





たぶんウワサは耳に入ってるかもしれないけど、気にしてる素振りは一切感じられない。






そう言えば倉本くんが勉強会に来なくなってから、かなり経つ気がする。





せっかくあーさんっていうメンバーも加わったのに、フルメンバーでは勉強会をしたことないと思うし。






…このまま、バラバラになりたくない。






ただ、みんなで仲良く勉強会したいだけなのに…





そんなささやかな思いでさえ、大きすぎる望みだと神様は思っているのかな?







上手い解決策はやっぱり出ないまま、季節は少しずつ夏から遠ざかっていった。












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