引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
「あー、わりいわりい。続けてー」
「まあ…、気を取り直して。色々決めることも多いのですが、今日は班決めと班長の選出をしよーと思います」
「班割りは4人ずつ。班ごとにホテルの部屋も割り当てるので、男女別々でお願いします」
「決まったら順次黒板に分かるように名前書いていって、できるところから班長を決めていって下さーい!」
ああ…
3年になって初めてのピンチかもしれない。
こういう時に女子の友達がいないと、こんな短い時間でも地獄のように感じるんだよね…。
このクラスになってからもう何回目かも分からなくなった深いため息をついた後、自分の席の周りを見回してみる。
みんな、嬉しそうな顔をしながら仲のいい人同士で4人組のグループを作っていってる。
私は…、とりあえず席は立ってみるけど、どうしたらいいのか分からないまま。
拓もさっさと倉本くんと他の仲のいい二人の男子とグループを組んじゃって、一番に黒板に名前を書いていた。
何となく女子が集まってる辺りを当てもなくうろついて…
そうしている間にどんどん班が決まっていって、私は焦ることしかできない。
また余りものかな…。
慣れっこのつもりだったけど、去年はあゆと映美佳がいたから、自分が余りものになった記憶もなく、久々のこの感覚が本気で苦しかった。
そしてほとんどの班が決まりかけた…、そんな時だった。
トントン。
「…え?」