引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
「……え?あかねちゃん???」
メールの送信者を見た映美佳は、少し目を見開いたけど、メールをスクロールさせて本文を読み終わると、急にみんなの顔を見回してきた。
「どうしたの、映美佳?あかねちゃん、何て?」
「今からこっちに行きたいから、どこでお昼食べてるか教えてくれって。…教えて大丈夫かな?」
「ああ…、私はいーけど」
「うん。私も」
即答したのは、あゆとあーさん。
だけどそこから少しの間沈黙が流れた。
「……馬場って柚と細井のこと疑ってんだろ?今更何か用事なのか?謝るとか…」
「用事かどうかは書いてないから分かんない。でも…、柚とななっぺがダメって言うなら教えないよ。どうする?」
私はそっと、ななっぺの顔をうかがった。
すると、ななっぺも私と目線を合わせてきた。
「…柚、とりあえずあかねちゃんの話、聞いてみない?私さ、耐えられなくなりそうなんだよね。同じクラスだし」
「うん。私も、ずっとこのままじゃダメだって思ってた」
ななっぺと意見が一致した。
…ななっぺは本当に苦しかったんだろうなって、表情から感じた。
せっかく仲良くなったのに…
同じクラスにいるのに…
近くにいるのに話せないっていう変な距離感を、ななっぺは辛いものだと思っていたんだね。
「柚と細井がそー言うなら、俺も別にいいけど。…つーか、絶縁宣言するようなら、俺がぶっ飛ばすけどな」
「…だから、拓。相手は女子だってば」
みんなの意見がまとまって、映美佳はあかねちゃんにメールで返事を打った。
…すると、何分後かにあかねちゃんがお弁当箱を持って一人で私達の前に現れた。