引っ込み思案な恋心。-3rd~final~





そこまで言うと、あかねちゃんはホッとした表情になった。





そして、あゆも私に同調してくれた。






「うん…、そーだね。柚の言う通りかも!うちら怒ってたように見えたかもしれないけど、あかねちゃんのコト心配してたんだよ?早く勉強会でワイワイやってた頃に戻りたかったし」



「あゆも…、みんなありがと……」



「あー!泣かない泣かない!!…てか、昼休み終わっちゃうんじゃない?お昼まだでしょ、あかねちゃん。早く食べちゃいなよ。午後の競技がまだ残ってるんだから」



「そうだ…、食べなくちゃ……」






あかねちゃんはこぼれそうだった涙を手でぬぐって、机の上に置きっぱなしだったお弁当箱を開けた。








やっと…



あかねちゃんときちんと向き合うことができた。





ものすごく時間がかかった。





だけど、私達が苦しんだこの時間は、きっと無駄ではなかったよね…?






あかねちゃんが私達に気持ちをぶつけてきてくれて…



倉本くんとも分かり合ってくれて…





本当に良かった。








みんなすごくホッとした表情になって、その後の昼休みは私達のいる空き教室にいつもの笑い声が響いた。












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