引っ込み思案な恋心。-3rd~final~

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「あかねちゃん…、色々解決したみたいでホント良かったよね」



「そうだね。やっぱりせっかく仲良くなったのに話せないなんて嫌だもんね」






午後一番の競技は、3年生による応援合戦。





私とあーさんは応援合戦のフォーメーション通りにテントの中で並んで、小道具のうちわを持って準備中。





拓は応援団長だから、体操服の上から応援用の衣装に身を包んで、動きの最終確認をしていた。





…遠くから見てるだけでも、拓…かっこいいな。





裾が長めの学ランを羽織って、うちのクラスのカラーの緑色のハチマキも長いものを頭に巻いている。





この日差しだとかなり暑いだろうけど、拓が一生懸命な姿を見ると、暑そう…なんて全然感じなかった。






「また瀬川くんの方ばっかり見てるよ、柚」



「え?あ…、もうすぐ始まるかな?」



「1組は4番目だから、まだまだだよね。でも他のクラスのも楽しみだなー。5組はかなり気合い入ってるんでしょ?」



「あゆが練習のこと一切語らないくらいだもんね」






あーさんと話していると、ついに応援合戦の1番目、4組の演技が始まった。






4組の面々がグラウンドの中央に散っていく。





その中にはもちろん、映美佳とななっぺとあかねちゃんの姿もあった。





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