引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
「4組はダンスを入れてるんだね。すごいな〜」
「次は5組だね。何をするんだろう…」
4組のダンスを取り入れた応援が終わった後は、気合いが入った練習をしていた5組の出番。
そこであゆ達は…
「ねえ、柚。5組って何やってるんだろう?うちわを審査員の先生達がいる方向にかざしてるみたいだけど…」
「ここからじゃ、全然見えないね。うちわで文字を作ってるのかな…?」
審査員席とは真逆の位置にいる私達からは5組が何をやっているのかさっぱり分からなかったけど、どうやらうちわで絵か文字を作って先生達にアピールしているみたい。
うちわのアートが完成されるたびに、先生や観客の保護者の人達から歓声が上がった。
「何かすごそうだね。さすが5組…」
あーさんもその歓声を聞いて、5組に感心していた。
そして2組の演技を挟んだ後…
「…っしゃー!!気合い入れてくぞーーっ!」
演技の直前、拓が1組のみんなに向かって大声を上げると、「おーっ!」という気合いが返って来た。
そして練習通り、私達はグラウンドに飛び出していった。
1組の応援は、男子の組体操を取り入れた、割とシンプルなもの。
女子はうちわを持って声を合わせて応援歌を歌い、男子がそれに合わせて組体操を始める。
一番の見せ場の所では、拓が男子のピラミッドの一番上に立つ。
私はただうちわと歌でしか拓のことを応援できないけど、ただ「成功してほしい」という願いを込めて拓のことを見つめた。
組体操はスムーズに進んでいき…ついに見せ場のピラミッド。
男子が一段ずつピラミッドを組み立てていく。