引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
09☆思い描く未来

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「えっ!?柚、A高の推薦取れたんだ?」



「ちょ…っ、声大きいよ、あーさん……」






あれから1か月以上が経った。





11月上旬、窓の外の木々はすっかり茶色い葉となって落ちそうになっている。





私とあーさんは放課後、学校の図書室でミニ勉強会をしていた。






「推薦が取れたって言っても、校内枠だから。試験は来年になってからだし」



「柚なら合格確実じゃん。なのにこんな一生懸命勉強しなくても…」



「内申の点数は2学期末まで入るから、期末テストも気は抜けないし、やっぱり一般の試験対策もしとかないと」



「でも私より余裕じゃん…」






あーさんは窓の外を見ながら分かりやすくため息をついて、手に持ってあったシャーペンをクルクルと回し始めた。







…まだあーさんは親からH高校を受けるように言われているらしい。





担任の村尾先生からはやっぱりいい顔されないみたいで、板ばさみになってて困ってるらしい。






「…そー言えば瀬川くんも全然勉強してないみたいだけど、大丈夫なのかな?」



「うん。まだ部活引退せずにトレーニングしてるみたいだから…」



「ええ?この時期になっても?」



「A高のスポーツ推薦の試験は、一応体力試験もあるらしいから、身体をなまらせたくないんだって」



「何か、推薦も大変だね…」





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