引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
「あれ?あゆ???」
「おっ、あーさんもいるじゃん!お疲れ〜」
あゆと私の声を聞いたあーさんもあゆの方を振り返って驚いていた。
そしてあゆは少し罰の悪そうな顔をしながら私達に近付いてきた。
「あちゃー。見られちゃったか。まっ、柚で良かったかも」
「あ、ごめん…。返すね」
「いーよ。見ないと誰の紙か分かんないしね。…てか、そっち混ぜてよ。クラスの友達と勉強してたんだけど、みんな帰っちゃったんだよね」
「いいよ。あーさんもいいよね?」
「うん、喜んで。一緒に勉強しようよ」
「ありがとー。じゃあこっちに荷物移動してくるね」
あゆは私から紙を受け取った後、少し小走りで来た方向に戻っていった。
でも…少し意外だった。
あゆ、この時期になっても進路を決めかねてたんだ…。