引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
たぶん…
あゆの家の経済的な事を考えれば、県立高校に行った方がいいんだろうけど。
でもあゆのやりたいことがそこでは学べないかもしれない。
あゆが悩んでいるのも納得…。
「…何かごめんね。こんなコトに巻き込んじゃって。家の事情とかあって重たい話だから、あんまり話したくなかったんだけど」
「でも、話したらいいアイディアが出てくるかも…って、出てきてないけど」
「いーよ、あーさん。無理にフォローしなくても」
「いや…、奨学金制度とか使えないかな?あゆならバスケで活躍してるし、3年間学級委員やってるから、内申は良さそうだし」
「え?奨学金???」
私がそう提案すると、あゆはまだ少し戸惑ったような表情をしていた。
「でも奨学金なんて、頭のいい人しか利用できないんじゃないの?」
「調べてみないと分からないけど…、経済的に苦しい家庭なら出るかもしれないよ。S女のパンフ、今持ってる?」
「あ、うん。コレなんだけど」
私はあゆから差し出されたS女子高校のパンフレットをペラペラとめくった。
さすがは私立の女子高、県立高校のパンフと違って、情報がかなり詳しい感じで、各学科の生徒のインタビューとかまで写真付きで載っていた。
私はページをどんどんめくって、最後の方の学費関係のページを読んだ。