引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
「…ほら。学校独自の奨学金制度があるみたいだよ。成績優秀者の奨学金とか、経済状況関係とか、それぞれ分かれているみたいだね」
「知らなかったー。私なんてそんなの無縁だと思ってたよ。じゃあ、経済状況で承認してもらえれば奨学金も出るってコト?」
「うん。まあ…資料とかたくさん必要みたいだけど」
そう言いながらあゆにパンフを返すと、あゆは少し嬉しそうな顔になって私が読んださっきのページを読み直していた。
「S女って確か…内申で推薦もらえれば、入学金も少し免除されるって聞いたことあるよ。あゆならいけるんじゃないかな?」
「えっ!?そーなの?あーさんナイス情報!」
あーさんの話に、あゆは更に元気を取り戻した。
…この調子なら、親も説得できそうかな?
「私…今から帰ってS女の国際コースを第一希望で親に話してみる。いけるか分かんないけど、一応推薦入試の話もしてみるよ」
「うん!頑張って、あゆ」
「ありがとね、柚、あーさん!この紙も埋まりそうな気がしてきた」
あゆはそのまま嬉しそうにパンフと進路希望の紙をカバンにしまって図書室を出て行った。
あゆの進路、ちゃんと決まるといいな。