引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
「あとは…、班長決めるんだっけ?班長って何すりゃいーの?」
「旅行のしおり作りの手伝いと…、旅行中は人員点呼と報告…なんか雑用っぽい感じだよね〜。めんどくさっ」
「イルカ、やっとく?こーゆーの好きじゃん?」
「え…、うん。じゃあ…」
いきなり西田さんに班長の話を振られた蘇我さんは、戸惑いながらも首を縦に振った。
えっ?
こんな簡単に班長って決まるものなの…?
ジャンケンとかするのかと思ってた……。
「杉田さんもイルカが班長でいーでしょ?」
私も西田さんに同意を求められ、とりあえずうなずいておくしかなかった。
だって…、西田さんと間山さんの目つきが妙に鋭いんだもん。
…と思っていたら、急に二人が満面の笑みで私の方を見てきた。
「よーし、決定♪楽しみだね、旅行!」
「だねー。杉田さんも楽しもーね!」
「うっ、うん…」
気のせいと言えばそれまでかもしれないけど…
私は西田さんと間山さんの表情での問い掛けが、少し怖いと感じてしまった。
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