引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
「やっぱそんなすぐに決められないよな…」
「ううん。私…、ホントに拓に近付きたい。だから……」
『怖い』って思う気持ちと、『近付きたい』って思う気持ちが交錯する。
でもきっと…拓となら大丈夫なんじゃないかと思った。
相手が拓だから…。
「え?いいのか?俺、マジで信じるけど」
「信じて…いいよ。私もA高に受かるように頑張るね」
「や…っ、やった……!」
怖いけど……きっと、大丈夫。
拓の少し嬉しそうな笑顔を見て、私は何となくそう思った。
だって、こんなにも大事に思われてるから。
私の気持ち、いつも最優先に考えてくれてる拓だから…。
暗くなってしまった家への帰り道を、拓と手をつないで歩く。
顔に当たる北風は冷たくて痛いけど、拓の手が温かいから平気。
「何かつめてぇ…って、雪降ってんじゃねぇ?」
「え?ウソ???」
「ホワイトクリスマスだな」
「こんなこと、あるんだ…?」