引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
ついに…呼ばれてしまった。
緊張がMAXになって、立ち上がった足から震えが来そうになる。
ど、どうしよう…。
いや、ここまで来たら後にも先にも引けないんだけど。
私は足をぎこちなく動かしながら、さっき先生が出てきた入口から教室の中に入った。
おそらく普段はどこかのクラスの教室として使っているんだろうけど、私が入った時には机と椅子が綺麗に片付けられ、窓際に平行になるように長机が一つ置いてあった。
その長机に沿って、先生らしき大人の人が5人、横に並んで座っていた。
もちろん机の上には受験生達の成績や内申の書類と思われる膨大な資料が並ぶ。
私はその長机の数メートル前にあった一つの椅子の前で足を止めた。
すると、真ん中に座っていた男の人が口を開いた。
「…では、受験番号と学校名、お名前をお願いします」
「24番、○○中学校、杉田柚です」
「杉田さんね。はい、座って下さい」
「はい…」
…あ。
最初の自己紹介は大きな声でって言われてたのに、緊張し過ぎて忘れてた。
つい、普通の声で言っちゃったよ。。。
軽く反省をしながら椅子に座ると、いきなり左から2番目の女の人が質問をしてきた。
「ではまず、A高校を志望した理由を教えて下さい」
「あ、はい…」