引っ込み思案な恋心。-3rd~final~





「分かってるとは思うけど、あなた達以外の県立が第一志望の生徒は、みんな受験がこれからです。だから、自分が受かったからと言ってみんなの前で浮かれた態度は取らないでくださいね。……特に瀬川くん」



「え!?俺?」



「この時点ですでに浮かれてるから、先生心配なんだけど…」



「だって、やっと受験から解放されたのに…」



「自分の結果は言ってもいいけど、みんなを励ますような態度を心がけてね。まだ勉強で大変な人がたくさんいるんだから」



「はーーい」



「あとはさっき渡した書類に書かれている通りに入学の準備を進めて行ってください。それじゃ、お疲れ様」






先生はそう言うと教室を出て行った。





他の合格者の人達も封筒をカバンに入れて教室を出た。








「柚!合格おめでとー」



「拓も。合格おめでとう」



「柚、スゲー自信なさそうだったのにさすがだな〜」



「…まだ信じられないんだけど。自分が合格したなんて」



「現実だから!これで俺ら、春からも一緒の学校だな」



「うん…!」






私と拓も封筒をカバンに入れて、一緒に教室を出た。





まだ1月下旬。




外に出る時はマフラーを巻かないといけないくらい寒いのに…





私と拓は一足早く受験が終わってしまった。





二人に春が…来ちゃったんだ。





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