引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
Last☆卒業、そして未来へ
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3月中旬。
一気に季節が春に変わろうとしていた。
木漏れ日が少し暖かく感じたり…
桜の芽が大きくなり始めたり…
そして私達も。
卒業という、大きな転機を迎える。
「今日が卒業式…だなんて、全然実感ないよね」
あーさんが『卒業おめでとう』と書かれたリボンが垂れ下がったピンクの花のブローチを付けながら、そんなことを言った。
黒板には、後輩が書いたと思われる『ご卒業おめでとうございます』という大きな文字と、寄せ書きのメッセージがビッシリと書き込まれていた。
今、私がこの場にいるなんて、想像すらしてなかった。
この学校に入学した時には、頭にかすりもしなかった『卒業』という2文字。
私達は今、卒業式に向かおうとしている。