引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
校門をくぐって、2年の時に通り慣れていたルートではなく、3年の靴箱に続く道を通った。
そして3年の靴箱に通じるガラス扉が見えてきて、その前に3年生の担任になるであろう先生達がクラス名簿を配っていた。
「はいっ!柚と映美佳の分ももらってきたよー」
「あかねちゃんはこういう時だけ行動が速いんだから」
「まーまー、映美佳。えーーーっと私は何組だ???」
ガラス扉にとりあえず入り、みんなの邪魔にならない隅っこでしばし3人で固まって、クラス名簿とにらめっこ。
とりあえずは自分の名前を探してみる。
「あっ、私4組!柚と映美佳は?」
「え?あかねちゃん4組なの?私もだよー」
「うっそぉ!映美佳と一緒!?ラッキー♪…柚は?」
え?
えええ?
あかねちゃんと映美佳が同じクラスなの…?
私…、私の名前は……
「わ、私…、1組だ…………」
「「え…?」」
あかねちゃんと映美佳と離れてしまった。
ショック過ぎて、それ以上何も言えそうにない。
3人の間に一瞬の沈黙が訪れて、その数秒後にあかねちゃんがこの場を取り繕うように話し出した。
「で…、でもさっ、他にもいるじゃん。勉強会メンバーが!ちょっと一緒に名前探してみよーよ。誰か柚と同じクラスかも」