引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
「よくある感じだよ。机に油性ペンで悪口書かれたり、物がなくなっててゴミ箱見たら捨てられてたり、体操服がズタズタに切り裂かれてたり。あとは殴る蹴るなんて普通」
「よくある…って、それホントにヒドイ感じだよ…」
「結局6年の時に明るみになっちゃって、それからは表面的ないじめはなくなったんだけどね」
「『だけど』…?まだ何かされたの?」
「ああいう人達って、全然懲りないんだよね。今度は私をパシリに使いだしたんだ。中学に入っても治まらなくて。同じクラスに私をいじめてたメンバーがいると、強制的にそのグループに入れられて、みんなが分かんないようにパシられるの」
「じゃあ今は、西田さんと間山さんに…?」
「そういうこと。私が班長になったのも、こうやって計画表を一人で書いてるのも、あの人達の命令」
「うそ…」
そんな感じに全然見えなかった。
でも…、言われてみれば、全部西田さん達が蘇我さんに頼んでいた気がする。
班長の件も、計画表の件も……。
「それ…、断れないの?」
「断ったらまたいじめが再開するだけだよ。さすがに幼稚な手は使ってこないだろうけど、ウワサや悪口で私を悪人に仕立て上げるのはあの人達にとっては簡単なことだろうから」
「そんな…」
「別に私はあと1年だと思ってるから。高校は絶対あの人達がいない所に行くって決めてる。でもね…、コレ、全然進まなくて……」
…と、また私にヒラヒラと見せてきたのは、ほぼ白紙の自由行動の計画表。
というか、いじめ問題よりも計画表が仕上がらない問題の方が最優先って……。