引っ込み思案な恋心。-3rd~final~





「はーーいっ!ビンゴ第1号、杉田ーーーっ!」



「うそ…」






進行の人の高らかなマイクの声がバスに響き渡ると、後ろから拓の大声が聞こえてきた。






「マジかーーーっ!柚に1番取られたー。でもいーや。俺2番取って、ワンツーフィニッシュ目指すし」






拓…、また恥ずかしいこと言ってるよ。。。





しかも周りの男子がそれ聞いて「お前ら熱すぎなんだよ!」とか茶々入れてきてるし…。






「ホントに仲いいんだね」



「大声であんなこと言うの、止めてほしいんだけど…」



「好かれてる証拠じゃん。瀬川くんの方からあれだけ言ってたら、うちのクラスの彼のファンも諦めつくんじゃないかな?」



「やっぱり…、うちのクラスに結構いるんだよね?拓のファン…」



「うん。悪いけど否定はできないよ。まあ杉田さんの方がそういうことは薄々気付いてると思うけど」






いや…、そういうわけでもないんだけど。。。





私、一人の休み時間は大抵勉強に集中してるし、あまり他人が話してることを聞いたりしないんだよね。





でも、拓に話しかけてくる女子の多さを見ると、何となく…、ずっと感じているものがあったから蘇我さんに聞いてみただけなんだけど。






改めてハッキリとそう言われると、やっぱりショックだな…。







せっかくビンゴを取って、普通なら嬉しがるところなんだろうけど…





そんなことを言われたら、私の後ろに座っている女子の視線が痛いほど伝わってくるような。。。





もしかしたら単なる私の被害妄想かもしれないけど。








でも…まだまだハイテンションが続く拓の大声を背に、私はただひたすら流れていく窓の景色を見るしかなかった。













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