引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
「俺、名簿自分のトコだけ見てきたからさ〜。柚が一緒のクラスかあ。今テンション上がったな」
「拓…、おはよう」
拓はちょうど、私の斜め前の自分の席に座ろうとしていたところみたいで、たまたま後ろを向いたら私の姿を見つけた…というような驚いた様子で私に話しかけてきた。
「密かに願ってた甲斐があったな〜。他に誰が1組にいんの?」
「えっと…、名簿では倉本くんがいるらしいけど…」
「マサ?………あ、ホントだ。アイツまた後ろの方で突っ立ってケータイいじってるし。見つけやすいヤツだな〜。女子は?いっつも5人でつるんでんだから、誰かいるんだろ?」
「いや、それが……」
「えっ!?みんな離れたのか?」
拓が少し心配そうな顔で尋ねてきて、私は無言で首をコクンと動かすしかなかった。
「…マジか〜!センセーももーちょっと考えてクラス決めろって感じだよなぁ!」
「あれ!?瀬川じゃん!また同じクラス?」
「え?」
拓が話していると、その後ろから拓に話しかけてきた二人の女子の姿が見えた。
…私は知らない人だから、両方ともY小出身の人かな?
「おー。お前らと2年連続か〜。腐れ縁ってヤツだな」
「ちょっと瀬川、ひどーい!こー見えてうちら、瀬川見つけてテンション上がったのに〜」
「おいおい。今年も俺のコト褒めても何も出ねえからなー」
「そんなんじゃないってぇ〜♪」
何か…、ものすごく馴れ馴れしい感じで拓と話しているような気もするんだけど……
でもあゆ達だって拓とケンカ腰になるくらい仲良く話してるし…、これが普通なの???
「あっ、そーだ。どーせお前らと同じクラスになったならさ、コイツも同じクラスだから。仲良くしてくんない?」
「「えっ!?」」