引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
けど。
西田さんと間山さんは焦りながらもまだシラを切り続けた。
「すっ、杉田さん、大げさじゃない?たかがイルカがケガしたくらいで『助けたい』なんて…」
「そーだよ。かすり傷ぐらいでそんな言わなくても!」
「……へぇ。お前ら蘇我の友達って割には、何で柚が助けたいって思うほど蘇我が苦しんでるのか分かんねえみたいだな」
「は?何言ってんの、瀬川?」
あ…。
私があんなこと言っちゃったから、拓にも怒りのスイッチが入ったみたい。。。
「俺、さっき西田が蘇我にやったトコ見ちゃったんだけど。黙っておこうかと思ってたけど、やっぱセンセーに言うわ」
「やっ、やったって…、何をよ?」
「蘇我の顔の切り傷の原因」
「えっ!?」
そこでさすがに西田さんと間山さんの顔が固まって、青ざめていくのが私にまで分かった。
遠回しに蘇我さんをこの二人から遠ざけようとしたけど…、やっぱり無理だったか。。。
「お前らこんなしょーもないコトして、センセーに見つかって内申下がったらどーすんだ?行きたい高校も行けなくなるぞ」
「うっ、うるさいわね!別に瀬川にカンケーないじゃん」
「多少はあるだろ。いじめがあるクラスってレッテル貼られるだけで、充分被害受けてんだけど。ほっといたら『傍観者』って言われるしなぁ」
「これはいじめなんかじゃないから!」
「わざと誰かにケガさせた時点でいじめだろ!そんなことも分かんねえのか!?」