引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
あれから。
ホテルに戻って、待機していた先生に、拓と私でさっき起こったことと今までに蘇我さんが受けてきた被害の話を全部話した。
そのまま蘇我さんはケガをしているから、旅行に同行していた保健の先生の所へ。
西田さんと間山さんは学年主任の先生の所。
そして拓は生徒指導でもある体育の武田(たけだ)先生に、班を外れて行動したことについて追及され…
私はその間、担任の先生に更に詳しい事情を話していた。
「あ。ホントに杉田が正座してる。おい、杉田は班で行動してたんだから、別に正座しなくていいんだぞ?他の先生もそう言ってなかったか?」
拓と小声で話していると、様子を見に来た武田先生に話し掛けられた。
「いえ。実は…、拓、じゃなくて、瀬川くんがあの場にいた原因を作ったのは私なので……」
「ええ?よく分からないけど…、もう瀬川も杉田も立っていいぞ。今回は事情があって、瀬川も俺に怒られるの覚悟で帰ってきて反省してるみたいだし。その代わり、みんなが帰ってくるまでホテルから出るのは禁止。以上」
「…やった!サンキュー武田センセー♪」
「……いつも言ってるけど、先生に対しては敬語でしゃべれよ、瀬川…」
武田先生は呆れてたけど、拓は嬉しそうに立って、そのまま私を立たせてくれた。