蜜色トライアングル【完】
22:00.
木葉は圭斗とともに展望台から夜景を眺めていた。
こんな時間まで外出するのは久しぶりだ。
「おいしかった~」
木葉はにこにこと上機嫌に笑いながら圭斗を見上げた。
店に着くと、圭斗はコース料理を2人前頼んだ。
その他、木葉のために女性向けの甘いカクテルを選び、自分は車のため烏龍茶を頼んだ。
料理も美味しかったが圭斗が頼んでくれたカクテルがとても美味しく、木葉は同じものを3杯も続けて飲んでしまった。
そのせいか、頭がふわふわする。
千鳥足というほどではないが、やわらかい、霧のかかった世界にいる感じだ。
「圭ちゃーん」
「ん?」
「圭ちゃんは、いいお店いっぱい知ってるね。オトナだから?」
木葉は楽しげに笑いながら言った。
気分が高揚し、なんだかとても気持ちがいい。
圭斗はくすりと笑い、木葉を見る。