蜜色トライアングル【完】
5.由弦の嫉妬
23時。
木葉はふらつく頭で家の前に立っていた。
……いつ寝てしまったのか全く記憶がない。
気が付くと木葉は圭斗の車の中にいた。
『木葉、起きて。着いたよ』
圭斗の優しい声にうっすら目を開けると、いつのまにか家の前だった。
ぼーっとする頭で車を降り、車のドアを閉める。
今日は早めに寝るんだよと気遣う圭斗にお礼を言い、木葉は圭斗の車を見送った。
「……」
展望台にいたところまでは覚えているが、その後の記憶が一切ない。
圭斗にいろいろと話しかけられた気もするが……。
「うーん……」
明日、お礼のメールを入れとこう。
木葉は玄関を上がり、リビングを抜けて自分の部屋へと向かった。
自分の部屋に荷物を置き、コートを脱いで再びリビングへと向かう。
「お水飲んどこう……」