蜜色トライアングル【完】
2.橙色の灯り
<side.由弦>
――――薄暗い、橙色の灯りの下。
女の白い裸体が波打ったシーツの間で艶めかしく動いている。
白いシーツの上に散らばった、女の長い髪。
まるで蜘蛛の足のようにも見えるそれを眺めながら、由弦はゆっくりと動いていた。
由弦の動きに合わせ、女が喘ぐ。
繋がった部分からは透明な液体が女の太ももを伝って流れ、シーツに染みを作っている。
二人の動きで透明な液体は泡立ち、卑猥な音を立てる。
由弦は女のたわわな胸を片手で掴み、組み敷きながら、射るように女の顔を見つめていた。
「ゆ……ゆづる……もう……」
「もう? ……何?」
「ダ、ダメ……」
女――遥は快楽に染まった表情で由弦を見上げる。
由弦は動きながらじっと遥の顔を見つめていた。
目でも、口でも、鼻でも。声でもいい。
何か一つでも。
木葉と、重なる部分はないのか……。