蜜色トライアングル【完】
18時。
二人はペンションに到着し、受付を済ませた。
気立てのよさそうなおかみさんが手慣れた様子で館内を案内する。
「……こちらが食堂、あちらの奥が浴場になります」
ペンションは個人経営で、客室は7部屋ほどだ。
カントリー風の家具や小物で統一された館内はとても雰囲気が良く、居心地が良い。
「浴場は夜11時までとなりますので、それまでにお入りください。食事は19:00からとなります。朝も同じ食堂で、焼き立てパンと飲み物をお出しします」
冬青がセレクトした宿ということで若干不安もあったが、驚くほど普通のペンションだった。
いつもの兄の雰囲気からすると冬青がこういったところに好んで泊まるようには見えないが……。
木葉の好きそうな宿を選んでくれたということだろうか?
案内の後、二人は先に風呂に入ることにした。
「夕食まであと一時間あるよね。汗かいてるから私は先にお風呂に入ろうと思うけど、圭ちゃんは?」
「そうだな。特にすることないし、浴場が混む前におれも風呂に入っておくよ」
「じゃあ出たら、談話室で待ち合わせで良い?」
「ああ、了解」