蜜色トライアングル【完】



おかみさんは『GWなので今日は満室なんですよ』と言っていた。

となると、部屋を変えてもらうわけにもいかない。

圭斗の部屋は確かシングル用で、圭斗と変えてもらうわけにもいかない。

木葉はしばし考えていたが、考えてもどうにもならないので諦めることにした。


――――兄妹だし。

――――昔はたまに一緒に寝ていたこともあるし。


幼い頃、怖い夢を見た木葉は、たまに冬青や由弦の布団にもぐりこんでいた。

その時とは事情が違うが……仕方がない。

これだけ広ければ、半分ずつ使えば大丈夫だろう。

木葉は気を取り直し、着替えとタオルを抱えて浴室へと向かった。


< 143 / 222 >

この作品をシェア

pagetop