蜜色トライアングル【完】
おかみさんは『GWなので今日は満室なんですよ』と言っていた。
となると、部屋を変えてもらうわけにもいかない。
圭斗の部屋は確かシングル用で、圭斗と変えてもらうわけにもいかない。
木葉はしばし考えていたが、考えてもどうにもならないので諦めることにした。
――――兄妹だし。
――――昔はたまに一緒に寝ていたこともあるし。
幼い頃、怖い夢を見た木葉は、たまに冬青や由弦の布団にもぐりこんでいた。
その時とは事情が違うが……仕方がない。
これだけ広ければ、半分ずつ使えば大丈夫だろう。
木葉は気を取り直し、着替えとタオルを抱えて浴室へと向かった。