蜜色トライアングル【完】
木葉は脱衣所の棚から空いている籠を取り、服を脱いでその中に畳んで入れた。
隣の籠には浴場にいる女の人達の服や下着が入っている。
隣の籠には濃いピンク地の華やかな花柄のショーツとブラが入っており、その隣の籠には真っ黒なラメ地に白いフリルのショーツとブラが入っている。
自分の機能重視のシンプルな下着とは女力において雲泥の差だ。
木葉は服を全て脱いだ後、籠をタオルでバサッと覆った。
……自分の貧相な下着を他の人たちに見せたくない。
女らしさは下着から!と凛花も言っていたような気がする。
日々の忙しさでつい気を抜いてしまっていたが、これではまずい。
「帰ったら、凛花ちゃんに一緒に選んでもらおうかな……」
木葉はフェイスタオルを頭に乗せ、浴場に入った。
入れ違いに女の人たちが浴場から出てくる。
タオルで前を隠しているが、二人とも木葉より胸はありそうだ。
あのくらい胸がないとああいう下着は似合わないのかも……。
……と思うと激しく落ち込む。
木葉は体を洗ったあと、ぶくぶくと耳元まで湯につかった。