蜜色トライアングル【完】
木葉はぱちっと目を開いた。
襲われることより、夕飯を食べれないことの方がショックらしい。
――――妙齢の女性としてどうなんだ、それは。
と思いつつも、そんなところも可愛いと思う自分はかなり重症かもしれない。
圭斗は少し笑い、再び木葉の髪にドライヤーを当てた。
これまでは同じ医院で働いているとはいっても、従兄妹同士、幼馴染同士という関係に留まってきた。
それがある意味、垣根にもなっていた。
しかし一度、その垣根が取り払われてしまうと、どんどん欲が出てきてしまう。
もっと木葉に近づきたい。
もっと……自分を見て欲しい。
「……」