蜜色トライアングル【完】
4.肉食女子と草食女子
夕飯の後。
木葉はコースの最後のスイーツを食べながら、圭斗と談笑していた。
コースの料理は和洋折衷で、前菜からデザートまで、すべて近隣で取れた食材を使用したものだった。
素朴な味わいだが滋味があり、とてもおいしい。
木葉は特に前菜のアスパラガスの香味焼きが気に入った。
町で売っているアスパラガスと違い、とても柔らかくて風味がある。
デザートを食べ終わったところで木葉はカタンとフォークを置き、コーヒーカップを手にした。
「お兄ちゃん、まだ来ないのかな……」
冬青から『遅くなるので夕飯は不要』という連絡がペンションに入ったらしい。
木葉のところにもその連絡は簡潔なメールで入っていた。
「せっかくのペンションなのに……」
沈んだ表情で言う木葉を圭斗が気遣わしげに見る。
木葉は圭斗がいてくれて心からありがたいと思った。
コース料理を一人で食べるなど、考えただけでぞっとする。
「いまに来るよ。ひょっとしたら打ち上げにでも行っているのかもしれないけどね?」
「……打ち上げ?」