蜜色トライアングル【完】
「こんばんは~」
「ここ、いいですかぁ?」
木葉達の返事を待つことなく、圭斗の隣の空いていた椅子に座る。
一人は青いシフォンのワンピースを身に着け、豊かな髪をゆったりと胸元まで垂らしている。
もう一人は白いドルマンスリーブのシャツに、大ぶりのネックレスに、マキシスカート。
化粧も完璧に施し、髪も綺麗に整えられている。
二人とも風呂上りとは思えないほど、気合の入った格好だ。
「あたしたち、都内の大学に通ってるんです~」
「今日はGWでこっちに遊びに来たんですけどぉ」
やたら間延びした口調で圭斗に話しかける。
どうやら圭斗が目当てらしい。
木葉は少し引きながら無理やり愛想笑いを浮かべた。
二人に比べ、自分はハーフパンツにTシャツ、髪は乾かしっ放しだ。
服は持ってきていないから仕方がないが、せめて頭ぐらいはどうにかすべきだった。
「えっと、お名前聞いてもイイですか? 私はリカで、こっちはケイコです」
「……角倉です。こちらは桐沢」
「えー、なんで苗字違うんですか? お二人はどういう関係なんですかぁ?」
恐らくそれが一番聞きたかったことなのだろう。
木葉は苦笑して言った。