蜜色トライアングル【完】
木葉は部屋に戻ると、歯を磨き、ベッドに横たわった。
ごろんと転がり、左半分を開けておく。
冬青は何時に戻って来るのかわからないが、もし馨と一緒にいるなら今夜は来ないのかもしれない。
姉のような馨と、兄である冬青。
二人が付き合うというのなら木葉も嬉しい。
けれど。
「……」
こんな広いベッドに一人で横たわっていると、寂しさがこみ上げる。
圭斗にそう言えば『寝付くまで傍にいてあげるよ』と言って添い寝してくれるかもしれない。
けれどそれに甘えるわけにはいかない。
もう子供ではないし、圭斗もさすがに迷惑だろう。
この寂しさにもいずれは慣れていかなければならないのだ。
木葉はぎゅっと目を瞑った。
疲れていたせいか、眠りはすぐに訪れた。