蜜色トライアングル【完】



冬青の気持ちがどの程度なのかはわからないが、もしそうであれば……。

相当厄介な相手であることは間違いない。


圭斗は立ち止まり、木葉の後ろ姿をじっと見つめた。

木葉はキスマークに全く気付いていない様子だった。

恐らくそういう関係になったわけではないのだろう。

冬青も、もし木葉に対して只ならぬ感情を抱いていたとしても、立場上隠すはずだ。


だが、もし木葉が気づいたら……。


想像するだけで暗澹たる気分になる。

圭斗は大きなため息をつき、重い足取りで歩き出した。



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