蜜色トライアングル【完】
3.木葉の料理
その後。
三人はペンションをチェックアウトし、午前中を近くの牧場で過ごした。
馬に乗りたいといった木葉に付き合い、冬青と圭斗も乗馬した。
圭斗は大学の頃に留学先で乗馬した経験があるらしく、無難に馬を駆っていた。
冬青は初めてだったが持ち前の運動神経で3分もしないうちにコツをつかみ、普通に乗りこなしていた。
木葉はインストラクターの指示についていくのが精いっぱいだったが……。
12:00。
昼過ぎ。
三人は関越高速の上りのサービスエリアで休憩をとっていた。
木葉は地場産品エリアで長野の味噌や酒、醤油をいくつか購入した。
どれも料理で使うものだ。
都内でも売ってはいるが、やはり地元で買う方が種類もあるし、美味しい。
調味料を購入した後、木葉は二人の元に戻った。
「あと二時間ぐらいかな。夕方には着くといいね」
渋滞情報のディスプレイの前で、缶コーヒーを片手にしばし息をつく。
渋滞情報の中には渋滞を示す表示はない。
どうやらスムーズにいけば、予定通りに着きそうだ。
「そうだ、圭斗」
冬青はふいに圭斗を見た。