蜜色トライアングル【完】
嬉しそうに圭斗は微笑い『車を置いてくる』と出て行った。
木葉の家の駐車場はジエンタ一台を入れるのが精いっぱいで、車体の長いCZ-Rは入りきらない。
確かここから歩いて3分ほどのところに駐車場がある。
おそらくそこに置いてくるのだろう。
木葉は調味料をキッチンに運びこみ、部屋着に着替えてエプロンをつけた。
あまり料理に自信があるわけでもないが……。
多少ヘンな味でも圭斗なら食べてくれるだろう、……たぶん。
木葉はキッチンの脇の木棚から根菜を幾つか出し、シンクに置いた。