蜜色トライアングル【完】
30分後。
二人はダイニングテーブルに向かい合わせに座った。
テーブルの上にはご飯と味噌汁に、しいたけと人参とたけのこの煮物、大根と豚肉の炒め煮に、かぶの浅漬けが並んでいる。
常備菜がメインになってしまったので野菜のオンパレードだが、仕方がない。
いただきますと二人で手を合わせた後、木葉は味噌汁に箸を伸ばした。
「うーん、さすが信州味噌」
良い米麹を使っているのだろう、いつもの味噌より風味が良い。
木葉が満足していると圭斗がにこりと笑った。
「とても美味しいよ。味噌汁も煮物も、浅漬けも」
「そう? さすが良い調味料なだけはあるね」
「違うよ。木葉の味付けが丁度良いんだ。これならいくらでも食べられる」
にこにこと上機嫌に笑いながら、圭斗は大根に箸を伸ばす。
どうやら口に合ったらしい。
木葉はほっと胸をなでおろした。
「ごめんね、こんなものしか出せなくて」
「充分だよ。毎日これでもいいくらいだ」