蜜色トライアングル【完】



あははと木葉は笑う。

圭斗は箸を止め、じっと木葉を見つめた。

その目にはいつしか真剣な光が満ちている。


「ねぇ、木葉」

「ん?」

「兄妹じゃなくても、ずっと一緒にいる方法は、あるよ?」

「え?」

「……いや、なんでもない」


圭斗は少し笑い、煮物に箸を伸ばした。

その目は切なげで、見ているとなぜか胸がシクッと痛む。

木葉は首を傾げながら、再び箸を動かした……。


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