蜜色トライアングル【完】
4.慟哭
<side.由弦>
8時過ぎ。
由弦は遥と別れ、家への道を歩いていた。
今日でGWが終わる。
木葉は帰ってきているだろうか?
遥を抱いても、気持ちの整理はつかなかった。
逆に混迷を深めた感じすらする。
遥と一緒にいると、由弦は木葉との違いを感じずにはいられない。
遥が何か言い、何かするたびに、『木葉なら……』と思わずにいられない。
「……」
末期症状かもしれない。
距離を置けと言った冬青は多分正しかったのだろう。
でなければ――――木葉を傷つけてしまう。
いつからこんなことになってしまったのか……。
少し前まではここまでひどくはなかった気がする。
あの日、圭斗と木葉が花壱に来た日からだろうか?
二人がどういう関係なのか、……そればかりが頭について、離れない。