蜜色トライアングル【完】



「気になるの~? ……木葉もちょっと色気づいてきたってことなのかしら?」

「えっ……」

「いい傾向よね。そうかそうかー。……えっと別れた原因はね、エッチの相性が良くなかったから」


もし飲み物を飲んでいたら間違いなく噴き出していただろう。

木葉は驚き、思わず凛花をまじまじと見てしまった。


「あ……相性?」

「うん、相性……ていうか嗜好かな? エッチするにもほら、いろいろあるでしょ?」


と聞かれても未経験の木葉には全く想像がつかない。

顔をばっと赤く染めた木葉に、凛花はくすっと笑った。


「木葉の年なら、そういう知識もそれなりに持ってないとね?」

「……」

「例えばさ、ほら……こっち」


凛花は木葉の手を引き、店の奥へと導いた。

高い棚に囲まれたそこは、店内の他の棚とは明らかに違う雰囲気を醸し出している。

赤や黒の原色の下着に、不自然に透けたキャミソール、網目模様のストッキングに、バニーの耳。


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