蜜色トライアングル【完】
「……」
「いろいろあるでしょ? ……こんなのとか~」
言って凛花が持ち上げたのは、T字型のヒモ。
……木葉にはヒモにしか見えない。
凛花は続けて手近にあったピンクのショーツを持ち上げ、広げた。
何やら布地の部分にリボンが結んである。
「ここをね、こうして、ほどくと……」
凛花がリボンを引くと、はらっと解け、布地の部分が二つに分かれた。
どこにどう装着するのか、想像もつかない。
というかそもそも着用するものなのだろうか?
ポカンと見つめる木葉を、凛花は横からじっと見つめた。
「例えばだけど、こーいうのが好きかどうか、とか……」
「……」
「まぁこれだけじゃないけど、いろいろあるわけよ。各々の嗜好ってのがね」
凛花はショーツとヒモ?を棚に置き、木葉に向き直った。
木葉は目の色を白黒させていた。
まだ木葉には入ることのできない世界だ。