蜜色トライアングル【完】



凛花は木葉の知らないところで、何か感じるものがあるらしい。

由弦は確かに少しクセがあるが、冬青や圭斗はわりと普通の社会人という感じがする。

しかし凛花の目から見るとそうでもないらしい。


「明らかにヤバいのは、……よね。次に……だけど……いやいや……のアレもどうかなと思うわ……」


凛花はも天井を見上げ何かをモゴモゴと呟いていたが、やがて木葉に視線を戻した。

木葉には正直、全くわけがわからない。

凛花は元のコーナーに戻り、再び木葉のためにセレクトを始めた。

あれでもないこれでもないと商品を品定めする。

木葉はその脇で渡された下着を抱えて立っていた。


やはり凛花のように、男性経験を重ねなければわからないことも世の中にはいろいろあるのだろう。

自分がいつそのレベルに到達するのか想像もできないが……。

木葉は腕に抱えた可愛らしい下着を見つめた。

まずは女らしさを身につけることから始めよう、と決心しながら……。


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