蜜色トライアングル【完】



「……あ……」


――――井戸だ。


木葉は一歩、また一歩と井戸に近づいた。

井戸は昔のままの石造りで、上には金網が張られている。

恐る恐る金網を覗き込んだ木葉は、後頭部をガツンと殴られたような感じがした。


「……っ!」


遠い昔の記憶が鮮やかに蘇る。

その衝撃に、木葉はすうっと意識が遠のくのを感じた……。


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