蜜色トライアングル【完】
「冬青さんは確かに知っていたわ。だけどあなたには言うなと、口止めされたの」
「……」
「ねぇ木葉ちゃん。例え本当の兄弟じゃなくても、冬青さんや弟さんは、きっとあなたを大事に思ってるわ」
馨は優しく言う。
吐息が耳に触れ、木葉はびくっと背を強張らせた。
その様子を見、馨はふふっと微笑う。
「だってあなた、こんなに可愛いんですもの……」
言い、馨はトンと木葉の肩を押した。
木葉はばさっとベットに仰向けになった。
その上に、馨が覆いかぶさる。
――――獲物を狙う、蛇のような瞳。
その瞳は妖艶で、とても美しい。
木葉は朦朧とした頭で吸い込まれるように馨の顔を見上げていた。
なんだろう……、体の芯が、疼く。
こんな感覚は初めてだ。