蜜色トライアングル【完】
朦朧とした意識の中、自分の体の中心がひくひくと蠢く。
躰の奥に湧き上がる、衝動……。
経験したことのない疼きに、木葉は身を震わせた。
「木葉ちゃん……あなた、経験あるの?」
「……え……」
「ないわよね。花咲く前の蕾よね? ……咲いたらどんなに良い香りがするのかしら?」
うっとりと馨は言い、胸の紅い実をつつく。
じんと広がる感覚に、木葉は身をよじった。
「あ……ぁぁ……」
「さぁ木葉ちゃん、咲かせてあげるわ。私が、この手で……」
馨は木葉の頬を両手で包み、唇を寄せようとした。
その時。
ブルルルと無機質な電子音が部屋に響いた。
その音に、馨ははっと唇を止めた。
どうやら木葉の携帯が鳴っているらしい。
「…………」