蜜色トライアングル【完】



しばらく見つめた後、馨はくすっと笑い、木葉の携帯を手にした。

着信履歴の人物に充ててショートメールを打つ。


『インペリアルタワー・ホテル42F 角部屋 from K』


手早く打ち込み、馨はパタンと携帯を閉じた。

携帯を木葉のバッグに戻し、ベッドを振り返る。


「……さて、何分で来るかしらね?」

「……」

「鉢合わせすると悪いから、私はそろそろ退散するわ」


馨は言い、木葉の頬に口づけてベッドから離れた。

木葉の体の上にばさっとシーツをかける。

木葉は全く気付く様子もなく、朦朧としたまま苦しげに身をよじっている。


「あなたの花が咲いた頃……。また会いましょ、木葉ちゃん?」


馨は木葉を部屋に残し、部屋から出て行った。

その唇には、楽しそうな笑みが浮かんでいた……。



※続きについては次ページをお読みください
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