蜜色トライアングル【完】
「とりあえず、手続きは終わったからゆっくり養生してくれ。何か必要なものはあるか?」
「今は特には思いつかんが……」
「じゃあ適当に、暇つぶしになりそうなものを見繕ってくるよ。姉貴、一緒に来てくれ」
「えっ……」
「親父の好きそうなもの、姉貴が一番詳しいだろ?」
由弦は木葉の肩を叩き、ドアの方へと歩き出す。
確かに父の好きな物は自分が一番詳しい。
木葉も慌てて立ち上がり、由弦の後に続いた。