蜜色トライアングル【完】
木葉も年頃の女性らしく、新しいレストランやカフェ、流行の居酒屋に興味はあるのだが……。
友人はみな彼氏持ちで、土日は彼氏との予定で埋まっている。
木葉はカフェオレを飲みながら内心でため息をついた。
そろそろ、自分も彼氏を作った方が良いのだろうか……。
作ろうと思って作れるわけでもないが。
そもそも自分がどういう人を望んでいるかすら定かではない。
これまで付き合った経験が皆無に等しいからだろうか。
『自分の好み』が全くわからない。
いいと思う男性は何人かいたが、様々な理由で付き合うまでには至らず……。
――――自分自身のことなのに、まるで見えない。
木葉の心に、不安がじわりと広がっていった……。